徳山市 金峰大田原
山口県一のダムであった菅野ダムも、阿武川ダムの完成でタイトルを失い、資料館も閉鎖してしまった。私がダムに関する資料のうち関心を寄せるのは、湖底と化した地形の記録である。
『都濃郡誌』によると、中須方面から流入する阿田川には撲玉の滝という大きいのがあったという。他にもまだ犠牲になっているのではないかと気をまわすのである。
このダムの少し下流に、大田原を水源とする支川が注いでいる。その川に沿う道路の中程に、この魚切りの滝が潜んでいる。落ち口が道路下で所在を捉え難いが、ガードレールをまたいで20㍍ばかり下降すると、仰ぎ見る形で対面できる。
滝の落差は14㍍だが、滝壷に上流から転がって来たらしい巨石が居座って、その佳景を半殺ししているのがしゃくの種である。
